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社会

世界禁煙デー:上海市が “たばこルール”の新施策、北京では禁煙外来の抽選イベントも

邦人NAVI 邦人NAVI 2024-05-30



5月31日の世界禁煙デーを前に、上海市が新たな禁煙対策を打ち出している。同市は他市に先駆けて新規則「屋外喫煙所の設置と管理に関する要求事項」を発表し、9月から実施する。今年の世界禁煙デーのテーマは「たばこ産業の干渉から若者を守ること」だ。



5月31日は「世界禁煙デー」

5月31日は世界禁煙デーである。この日が制定された背景には、世界保健機関(WHO)の強い意志がある。1987年にWHOはたばこの健康への悪影響を訴え、この日を禁煙デーと定めた。


第37回を迎える今回のテーマは「たばこ産業の干渉から若者を守ること (protecting young people from tobacco industry interference)」で、中国でもすでにさまざまな啓蒙活動が始まっている。中国にとって今年は「健康中国2030」計画の実施から5年目に当たるだけに、例年に勝る盛り上がりを見せている。





上海市が禁煙推進で新施策

第37回世界禁煙デーを目前に、上海市は5月25日、「屋外喫煙所の設置と管理に関する要求事項」を発表し、9月1日から正式に実施する方針を明らかにした。背景には、公共の場での受動喫煙による健康被害を減少させるという目的がある。現在、屋外喫煙所に関する国家基準が存在しないため、他市に先駆けた同市の取り組みに注目が集まっている。


具体的には「屋内での喫煙にダメ出し、屋外の歩きたばこは禁止、吸うなら表示を確認して」を原則として、喫煙所の設置や管理が徹底されていく見通しだ。ベースには同市が定める『上海市公共場所における喫煙管理条例』と『上海市愛国衛生健康促進条例』があり、今後も新たな措置が講じられていく可能性もありそうだ。





抽選で“禁煙外来”サービス

一方、北京市では「北京喫煙規制条例」の施行10周年を機に、本日29日、北京健康教育協会禁煙専委会が「2024年北京市民科学禁煙活動」をスタートさせた。同市に常住する住民を対象に、禁煙の意思があるヘビースモーカー300名を募り、無料の禁煙外来サービスを提供するというユニークなものだ。


サービスを提供する医療機関は北京朝陽病院、北京大学人民病院、北京病院、復興病院、および垂楊柳病院の5か所で、応募者には心理カウンセリング、たばこ依存性の有無や程度について評価が行われ、禁煙治療に入った場合は薬物療法の処置などフォローワップが実施されるという。




電子たばこの脅威

今年の世界禁煙デーのテーマに呼応するかのように、世界保健機関(WHO)駐中国代表部は「青春は素晴らしい、たばこから解放を」をスローガンに掲げ、さまざまなキャンペーン活動を展開している。たばこが若者に与える危害への関心を高め、若者をターゲットとした広告が氾濫する現状に問題を提起し、注意を喚起していく。


WHO(世界保健機関)とSTOP(世界たばこ業監督機関)が発表したレポートによると、世界では13-15歳の年齢層でも約3,700万人もの喫煙者が存在し、近年では多くの国で電子たばこの浸透が問題視されている。「世界禁煙デー」の翌日(6月1日)は「国際児童デー」に当たる。それだけに、若者自身がたばこに対して「NO」と言える風土を醸成していくことが重要になってくる。(編集:耕雲)



 参考 


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