BizCHINA 2月号、配布開始（上海以外は2月1日配布開始）

【自動車産業レーダー】

CASEからFACESへ（前）

欧州空飛ぶ車、中国で世界初披露

　Flying（飛行）は、CASEとともに自動車産業が直面している（faces）地殻変動だ。自動車が輸送マシンから、システムにConnectされた輸送機能（Mobility）へと性格を変えるにつれ、陸海空のボーダーを超えた輸送性が次のフロンティアとして追求され始めている。F＋CASE＝FACESは、航空機産業と自動車産業の相互ディスラプションともいえる。上海で世界初披露されたスロヴァキア発の空飛ぶ車の取材を絡めて、Flying Carを考察する。

【業界インタビュー】

①DX

システム化を“逆輸入”

中国現法から日本本社へ

──真空技術開発のアルバック中国

　現地法人をいかにシステム化するかは、多くの日系企業に共通の課題となってきた。が、現地法人から日本本社にシステム化が“逆輸入”されたケースもある。真空技術の開発メーカー・アルバックの現地法人・愛発科（中国）投資だ。ルーチンワークに要する日数の大幅な短縮は、現法各社の経営分析への労力投下を可能にし、経営改善に奏功。その成果には日本本社が注目、同一システムの導入にまで至った。

↑ 現法16社の各種財務データを自動処理できるため、財務の分析・改善に時間と労力を割きやすくなった（アルバック中国提供のサンプル画面）

②人事・人材

日系企業、就職先の魅力度は

中国系・欧米系と、給与など比較

コチコンサル、調査報告会実施

　日本語を学んだ中国人人材にとってさえ、日系企業は就職先として欧米企業はもとより中国系企業より優先順位が低い──こうした状況が指摘されるようになって久しい。賃金水準やキャリアアップ制度が見劣りするなど、各種原因が挙げられてきたが、実際どのような差が生じているのか。“在中国日系企業の第二人事部”を掲げる人事・労務コンサルのコチコンサルティングは12月、この観点を掘り下げた調査報告会を開催した。

↑ 日系・中国民営系・欧米系と、業種・職種ごとに職位別の給与水準を対比

③流通・小売

アダストリア

ニコアンド史上最大、上海旗艦店

「発見」重視の店舗で差別化

　ECが発達した中国だが、消費者の“コト消費”へのシフト、オンラインとオフラインを結びつけた“新小売”コンセプトの登場などもあり、リアル店舗は消費シーンにおける重要性を高めている。この動きに着目しブランドの一新で挑戦に出たのが、日本のファッションカジュアル専門店チェーンのアダストリアだ。12月、上海市中心部にアパレル・雑貨・家具・飲食ブランドniko and …（ニコアンド）のグローバル旗艦店をオープンした。

↑ 「ニコアンド東京店は訪日中国人客の間でも知られているので、インバウンドとの連携も図っていく」と語る北村氏

【スタートアップ】

スタートアップ～北京の挑戦者たち～

網膜検査をAIでサポート

難病の早期発見に貢献目指す

　網膜は人体で唯一、外から血管が観察できる部位なので、網膜検査を通して目の疾病だけでなく糖尿病、高血圧、くも膜下出血など重大な疾病を判別できる（※）。網膜検査をAIでサポートする取り組みを手掛けているのが、北京発のスタートアップAirdocだ。画像認識を搭載した機器により、手軽に網膜の様子をチェックできる環境を提供することで、早期受診のきっかけづくりを目指している。

※ 社会医療法人抱生会丸の内病院

↑ 眼科医の検査機を模した機器で、網膜を撮影（Slash Shanghai 2019、マイクロソフトのブースにて）

【編集レポート】

CASEの先輩格、航空産業

　CASEは目下の自動車産業が直面している一大地殻変動だが、自動車に先駆けてCASEが実用化されたのが航空機だ。自動車におけるCASEの技術進歩は、空飛ぶ車の開発競争が再燃している要因でもある。航空機メーカー大手らがUberと組んでライドシェア前提のモデル開発に乗り出しているのも、その一端といえよう。空飛ぶ車産業の今後を予測する手掛かりとして、航空におけるCASEを概観する。

↑ 航空機は、大掛かりな輸送システムの一構成要素、としての位置づけが徹底されている（写真はイメージ、ヒースロー空港の管制塔）

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